「転職を考えているけれど、転職の流れはどんな感じになるんだろう?」
「転職って在職中にした方がいいの?」
「転職活動で気をつけるポイントって何?」など、転職を考えている人は悩みがたくさんあるのではないでしょうか?
転職をスムーズに進めるためには、基本的な3つの流れとそれぞれ注意するポイントがあります。今回は転職のプロが転職活動を成功に導くポイントを徹底的に解説します。
この記事を参考にして活動すれば、転職の流れが理解でき、道が開ける可能性がグンと高まります。
目次
転職の流れ・段取り3ステップ|どの期間に何をやる?
まず、転職の流れに関する基本的な3つのステップを解説します。ここに記載する流れで転職活動を進めれば、スムーズに進む可能性が高まります。
ステップごとに気をつけるポイントも示します。
ステップ1:転職活動準備期間
ステップ1は「転職活動準備期間」です。
準備期間は具体的には行動せず、転職を本当にするべきなのか、転職するならどの業界に行くべきなのか、自分の市場価値はどれくらいなのかを客観的に判断します。
こちらがブレるのであれば、転職を控えるのも正しい決断です。
本当に辞めたいのか考える
転職活動を始める前に、本当に会社を辞めたいのか、辞めるべきなのかじっくり考えましょう。
辞める理由は何でしょうか?賃金が安いことが理由なら、評価される結果を残したのか振り返るべきです。
自分はこれだけの実績を残したと強く言える自信があれば、結果を数値化して、上司に伝えるべきでしょう。
キャリアアップが理由なら、今の上司や人事部に描きたいキャリアプランを相談してみてください。
自分の思い描く将来像とかけ離れたプランを提示されるのであれば、転職活動を進めましょう。やるべきことをやってから転職活動をしても、決して遅くはありません。
次にやりたい業種・職種の目星をつけて情報収集する
転職の意思が固まれば、次は転職先の検討と情報収集です。
企業は無数にあり、業界や職種は様々です。同業界・同職種でキャリアアップするなら、転職成功の可能性が高まります。
転職は企業にとっては中途採用、いわゆるキャリア採用で、ほとんどが経験者をターゲットにしています。
同業界で輝かしい実績を残していれば内定をもらえる可能性は高まりますし、転職後もスムーズに仕事に慣れるしょう。
近年は未経験の求人も多いですが、離職率が高い会社の可能性もあるので事前にチェックしてください。
自分の現在の価値を算定する
次に自分の市場価値を客観的に評価します。業界の種別、経験年数、能力・スキル、実績を整理してください。
これらを整理できたら、業界研究をして比較したり、希望する業界で働く人に自分のスキルなどを伝えて市場価値を聞いてみたりするのがいいです。
そこで足りないことが見つかったら、補う努力も大切です。例えば英語を使う仕事に転職を希望していて、日常会話しかできなければ、スキル不足です。
語学スクール入学や独学などで自分の価値を高める取り組みをしてください。
自分の市場価値判断におすすめ:MIIDAS
自分の市場価値を可視化するために便利なサイトが「MIIDAS」です。MIIDASは転職サイトdodaを運営するインテリジェンスが提供しています。
MIIDASを利用するメリットは、自分の適正年収が5分でわかることです。現在の年収と比べて高いか、安いかが即座にわかります。
質問項目は簡単なものばかりですから、自分で市場価値を調べるのが面倒な方はこうした便利なツールを活用しましょう。
質問したデータは収集され、興味を持つ企業側からオファーが届くこともあります。
求職者が求人先の企業にエントリーする従来の転職サイトとは一線を画したサービスですので、気になる方はチェックしてください。
転職エージェントに相談する
市場価値を見極める上でもう一つ便利なのが、転職エージェントに相談することです。
リクルートエージェントやマイナビエージェント、dodaなどはCMも放送されており有名です。
転職エージェントの一番のポイントはオンライン上のやりとりではなく、業界に特化した転職エージェントに会って転職に関する悩みを直接相談できることです。
初回面談時はスキルや経験のヒアリングを受け、市場価値を提示してくれます。そこで自分の価値を第三者に評価してもらえます。
希望の業界や会社を伝えれば、足りない経験・スキルもはっきりと伝えてくれるので転職活動がスムーズに進みます。
転職エージェントは履歴書・職務経歴書の添削や模擬面接など、転職者がつまづきやすいポイントもアドバイスをしてくれるので非常に便利です。
ステップ2:転職活動期間
ステップ2は「転職活動期間」です。実際に企業に目星を付けて応募し、面接を受けて内定を獲得する期間のことです。
約3ヶ月が一般的ですが、ライバルの多い、難しい業界に転職希望の場合は、それ以上かかることもあります。事前にしっかり準備して、対策を練ることが重要です。
自分が転職できる可能性のある企業を紹介してもらう
転職エージェントに登録したら、自分が転職できる可能性のある企業を紹介してもらうのが1番の近道です。
必ずしも、自分が行きたい業界や職種を提示される訳ではありませんが、スキルや経験を踏まえた上で提示されるので内定のチャンスが高くなります。
転職希望の会社が見つからない時は、多少ハードルを上げて紹介してもらうのも一つの方法です。
内定獲得は難しくなりますが、行きたい気持ちが高まる企業であれば、困難に打ち勝つ努力ができるでしょう。
履歴書・職務経歴書を作成する
転職活動には履歴書や職務経歴書が必須です。特に転職の場合は、スキルや実績をアピールする職務経歴書の内容を充実させましょう。
営業職であれば数字が何よりの宣伝材料になるため、扱った商材、貢献した売上、社内での成績・順位などをわかりやすく記載してください。
自分の売上実績は、会社全体の売上との比較・割合や対前年比などで示せばより分かりやすくなります。
クリエイティブ職の場合、職務経歴書に加えて作品集・ポートフォリオも必須です。応募時に提出を求められることもあるので、しっかり準備しておきましょう。
履歴書・職務経歴書は必ず転職エージェントに添削してもらう
履歴書・職務経歴書が準備できても、気を抜いてはいけません。誤字・脱字をなくし、見やすさを向上させましょう。
企業の採用担当者は、通常の業務に加えて採用活動を行っています。ダラダラと記載された書類は読む気にならず、不採用の判断をされかねません。
そこで、履歴書・職務経歴書を転職エージェントにチェックしてもらうのがオススメです。
確認してもらえば、誤字脱字の発見はもちろん、スキルや経験の棚卸し、内容の見やすさ、アピールするポイントなどを総合的にチェックしてくれます。
いつも書類選考で落ちる方は一度見てもらうことをオススメします。
転職エージェントと面接練習をする
面接対策が転職エージェントの1番の強みです。面接は集団面接、個人面接など色々なケースが想定されます。
多様な面接パターンを踏まえ、事前に練習しておけば、本番でも焦ることなく自分らしい姿で面接に臨めるでしょう。
どの転職エージェントでも面接練習は基本サービスに組み込まれているので、本番前に模擬面接を受けたい方は一度相談してみるといいでしょう。
面接の内容だけでなく、面接開始前、終了後の所作もチェックしてくれるので、思いがけない気づきを得られることもあります。
実際の面接に行く
書類選考を通過し、履歴書・職務経歴書の準備や模擬面接が終われば、ついに本番です。
前日は想定質問に対する回答を整理しておきましょう。睡眠もしっかり取り、当日は早めの出発を心がけてください。
面接を受ける企業までの交通機関が電車であれば、事故などによる遅延も考えられます。
間に合わないなら、企業に遅刻する旨を伝える連絡も必要ですし、焦ってしまい本来のパフォーマンスが発揮できないこともあります。
何事も早めの行動を心がけ、落ち着いて面接に臨めるようにしてください。
ステップ3:内定~退職準備期間
ステップ3は「内定〜退職準備期間」です。ここでは、内定が出てから退職の手続きまでの流れを解説します。
無事に内定を獲得できても、現職の会社への退職の報告・手続きなど、転職先に入社するまでにいつかの工程があります。
最後まで気を抜かずにしっかり進めてください。
内定受諾・辞退の意思表明をする
無事に面接が終わり、内定通知を企業からもらえた後は即答せず、もう一度仕事内容や条件などを見直してください。
複数の企業を検討している場合は他企業の条件とも比べ、冷静に判断することが大切です。
1社内定が出て勢いで入社すると「こんなはずではなかった」と後悔する可能性もあります。企業には数日返事を待ってもらうようにお願いしてください。
ただし1週間以上、返事を保留しないよう注意してください。長期間の保留は入社の意思がないと思われ、内定取り消しの可能性もあります。
転職エージェントを通すのが最もスムーズ
内定の受諾・辞退に関わらず、企業への返事は転職エージェントを通すのが一番スムーズです。
内定受諾ならまだしも、辞退の場合は心苦しく、伝えにくいのが本音です。その点、転職エージェントを通せば気が楽ですし、気兼ねせず判断できます。
ただし前述の通り、返事の期限を延ばし続けるのはご法度です。不誠実な対応は企業だけでなく、転職エージェントの担当者にも悪い印象を与えてしまいます。
転職エージェントも転職先企業からの信頼でビジネスが成り立っているので、不誠実な人間は紹介しにくくなります。社会人の基本として報・連・相は心がけてください。
円満に退職できるよう準備を整える
転職先が決まったら、在職中の企業、転職先の企業の双方と必要な手続きを進めましょう。
特に在職中の企業の退職準備を怠れば、スムーズに退職できなくなり、退職日が延びてしまうことになりかねません。
辞める時の行動で悪い評判が立ち、せっかく築いた人脈を失ってしまう恐れもあります。
退職前はしっかり上司に相談し、取引先への連絡や引き継ぎなどを念頭にスケジュールを立てて行動してください。
業務領域が広い人ほど、引き継ぐ相手も多くなりますので綿密に計画してください。
退職までの流れ
退職までの流れを説明します。まず直属の上司に口頭で伝えるようにしましょう。
決心がつかないまま退職を告げると、引き留めに遭い、状況が進まないこともあります。ハッキリと退職の意思を伝えましょう。
退職理由を聞かれた時は、前向きで個人的な理由にしてください。決して職場の悪口は言ってはいけません。思いがけないことが職場に広がり、スムーズな退職ができなくなります。
退職を告げた後は退職日の設定です。上司と相談し、自分が担当する業務や後任の選定、引き継ぎ期間などを考慮して退職日を決めましょう。
転職先の入社日が決まっている場合は伝え、無理のない日を設定します。退職に伴う税金や年金関係などの公的な手続きも概要を確認しておきましょう。
退職日が決まれば、引き継ぎ文書を作成して業務を明文化し、誰が見ても理解できるようにしてください。
引き継ぎを疎かにすると、退職後に連絡されて面倒なやり取りが発生する可能性もあります。
退職交渉も転職エージェントが力になる
退職の交渉も転職エージェントは力になってくれます。企業によっては退職の際にトラブルになることもあるので、心強い味方です。
退職希望者が不利になる書類に署名をさせられたり、怒声を浴びせられて精神的な苦痛を与えられたりすることもあります。
そんな時、転職エージェントに相談すれば、解決策を導いてくれるでしょう。
トラブルになった際は、決して一人で抱え込まず、転職エージェントに相談してみてください。
転職活動の流れ・よくあるQ&A|働きながら転職できる?
ここからは転職活動の流れでよくある質問をまとめます。転職者が一番気になることは在職中の転職活動についてです。
在職中に転職活動をするメリットは多いですが、留意点もあります。転職活動の際は注意してください。
在職中に転職活動をする際の注意点は?
在職中に転職活動するメリットは、安定収入を得ながら転職活動できることです。
精神的な余裕があるので、冷静に転職先を分析できます。希望の転職先が見つからない場合は、転職活動をやめる判断もできます。
しかし、在職中の転職活動にはデメリットもあります。まず時間を確保しにくいことです。平日は今の仕事をしているので、企業の検索や応募は必然的に夜の時間帯になります。
無事に面接に進んでも、業務との兼ね合いで面接日が調整できないこともあります。どうしても都合がつかない時は有給を取るの選択肢です。
一方、先ほどと正反対のように見えますが、「焦ってしまう」というデメリットもあります。
通常業務と転職活動を同時に進めると、片方が疎かになってしまうのでは?と心配になり、焦りが出て支障をきたすのです。
転職活動はパワーを使いますが、人生に置き換えれば一時的なものです。長期的な視野で考えれば、キャリアアップや年収アップには避けられないプロセスです。
転職を決意した時の目標を改めて思い直し、自分を奮い立たせるプラス思考を持ってください。
在職中に転職活動するとばれる?
転職活動時の企業との連絡は平日がほとんどなので、メールや電話が飛んでくることがあります。
メールは、会社のアドレスではなくフリーアドレスを使うようにしてください。会社のアドレスを使うと、周囲にバレる可能性があります。
転職活動をしていることがバレれば、組織の士気は下がりますし、冷ややかな目でみられることは避けられません。
転職活動のことを上司が知れば万が一、転職しなかった時に昇給やキャリアアップに影響する事態もあり得ます。
なので転職活動がバレないように、社内では転職用の書類を作成したり、企業に応募したりしないよう心掛けましょう。
営業職であれば外回りの時間を活用して、面接を受けたり、カフェを利用して書類を作成したりできます。普段からスーツを着ているので、転職活動のハードルは低いです。
内勤で私服勤務の場合は、週に一度スーツの日を作ると就業後の面接を受けやすくなります。周りには、週1日はこんな日を作りたいと話すといいでしょう。
転職エージェントは絶対使わなきゃダメ?
転職エージェントは転職を希望する求職者と人材を募集する企業の間に立ち、双方の希望をヒアリングしながらマッチングしてくれるサービスです。
自力に頼った転職活動では、限界を感じることもあります。そんな時は転職エージェントを活用してください。
転職エージェントの主なメリットは次の6つです。
- 転職に関するサポートが全て無料で受けられる
- 自分のスキルに合った求人を紹介してもらえる
- 応募書類の添削をしてくれる
- 書類選考の通過率を上げてくれる
- 転職に関する面倒な作業が少なくなる
- 求人広告に載っていない情報が得られる
転職エージェント側とのやり取りが発生しますが、得られるメリットは多いです。
自己分析から退職交渉までトータルで力になってくれる転職エージェント
転職エージェントのメリットは理解できたけれど、どの転職エージェントがいいのか判断できない方は多いでしょう。
転職エージェントは大手の有名サービスから、業界特化型のサービスまで豊富にあります。
こちらでは「サポートが手厚い」「ハイクラスの求人がある」「第二新卒者向けの求人が多い」など、特徴的なサービスの転職エージェントを3つご紹介します。
転職エージェント①パソナキャリア
1993年に人材派遣業の株式会社パソナがスタートした転職支援サービスが「パソナキャリア」です。慎重に転職活動を進めたい方にピッタリのエージェントです。
パソナキャリアの特徴は「利用者の年齢層が幅広い」「地域に特化した転職支援サービスがある」「キャリアアドバイザーのフォローがきめ細かい」の3つです。
株式会社パソナの企業理念は「正しい就職、正しい転職、正しい再就職」です。
求職者のことを第一に考え、納得できる仕事に就けることを目的に、仕事紹介のサービス事業を展開しています。
このため、手厚いサービスに定評があり、転職活動や転職エージェントの利用が初めての方にオススメの転職エージェントです。
転職エージェント②リクルートエージェント
「リクルートエージェント」は、リクナビネクストやとらばーゆ、タウンワークを運営しているリクルートが提供する国内最大規模の転職エージェントです。
テレビCMやインターネットなどで広く知られ、多くの一部上場企業や世界的な有名企業とのコネクションが強く、好条件で役職付きの非公開求人も多数保有しています。
豊富な求人数から転職者に提供する求人情報の幅も広く、キャリアと実績に合わせた転職サービスを行ってくれます。
リクルートエージェントの特徴は、営業職やITエンジニア職など特定分野の求人に強いことです。
年収1000万円以上のハイクラスな求人も揃えており、キャリアが豊富な方であれば、好条件の求人が見つかりやすいでしょう。
リクルートの規模や実績を見て、より優れた人材が登録しているはずだと、企業側も優れた求人を出しているのです。
特定の業界でスキルとキャリアを培った転職者に、リクルートエージェントはオススメです。
転職エージェント③マイナビ
「マイナビエージェント」は、CMも放送されているマイナビ転職で有名な株式会社マイナビが運営している転職エージェントです。
全国の拠点を活用したネットワークで、丁寧かつスピーディーなサポートを得意としており、多くの転職者から支持されています。
マイナビエージェントの強みは、20〜30代の求人に強いことです。他の転職エージェントと比べ、未経験でも応募可能な求人を多く取り扱い、第二新卒にもオススメです。
ベテラン揃いのキャリアアドバイザーが、転職希望者のキャリアやスキルを丁寧に棚卸ししてくれ、アピール材料を整理してくれます。
マイナビエージェントを使えば、自分の強みを客観視できるので転職活動に悩みがある方にも適しています。
IT・Webエンジニア、営業、女性など、分野ごとに独立した組織運営をしている特徴もあり、各分野に特化した知識を持つアドバイザーのサポートが得られます。
転職は流れを事前に知ってスムーズに行おう
ここまで転職の流れやポイントを解説しました。転職は自分の人生を左右するものですので、転職を決意する前に自分のキャリアプラン・人生をよく考えてください。
どこに転職するかで、身につくスキルや経験は大きく異なります。そんな大事な転職だからこそ、後悔しない選択をしたいものです。
転職活動は在職中に行うことが基本ですから、迷惑をかけないよう準備をした上で着実に進めることが大切です。
「どうせ辞める会社だから」と、いいかげんな態度で転職すれば悪い噂がたちます。狭い業界ほど、悪評の影響は大きくなるので、転職の流れを理解して丁寧に進めてください。
組織に穴を開けるということはその業務を引き継ぐ人がいるということですからしっかり準備をして活動を進めましょう。
準備を整えた転職活動で希望の企業に入社し、大きく羽ばたくことを祈っています。